富山県ってどんなところ?|富山の概要と特徴、文化・歴史・観光など

富山県ってどんなところ?

富山県の概要

富山県は北陸地方にある日本海に面した県で、石川県と新潟県の間に位置しています。

富山県といえば「富山の薬売り」が古くから有名で、医薬品の配置業者が全国を渡り歩いて各家庭や企業に薬を販売する文化が昔から根付いていました。現在でもそのような歴史や文化的背景から数多くの医薬品メーカーが拠点を構え、日本の医薬品産業を支える中心的な存在を担っています。

また、富山県を語る上で外せないのが富山湾で獲られる種類豊富な海の幸です。全国的にも豊かな漁場として知られる富山湾は「天然のいけす」と呼ばれ、白エビ、ホタルイカ、寒ブリ、など数多くの珍しい魚介類の宝庫となっています。

どこにあるのか何があるのか分からない「謎の多い県」と言われることも多い富山県ですが、ここでしか楽しめない新鮮な食材や景色、観光スポットや豊かな環境が生み出す自然現象など、さまざまな感動が味わえる魅力もたっぷりの県です。

富山県の人口

富山県の人口は約101万9千人(2022年5月)で、47都道府県の中では第37位の人口を有しています。
1998年の112万6千人をピークに人口減少が続いており、数年後には人口100万人を下回ると考えられています。

県内では県庁所在地である富山市に県全体の4割を超える約41万人の人口が集中し、2位の高岡市(約16万4千人)と、3位の射水市(約9万人)とも大きな差があります。
人口の男女比では全国の男女比(男性48.7%、女性51.3%)に対し、富山県の男女比(男性48.2%、女性51.8%)でやや女性が多めの統計になっています。

富山県の地理・地形

富山県は南北に伸びる日本列島の中心にあり、東は新潟県と長野県、西は石川県、南は岐阜県に接している北陸地方の県です。交通や経済面でも関係の深い石川県・福井県と合わせて「北陸三県」とも呼ばれます。

陸地は3,000m級の立山連峰をはじめとする急峻な山々から、海は水深1,200mを超える富山湾に至るまで、大きな高低差と変化に富んだ地形を有しています。
半径約50kmの富山湾を抱くように平野部が広がり、北アルプスから海へと流れる雪解け水によって米をはじめとする農業に適した環境となっています。
水の豊富さから昔は洪水になることも多く、薬売りなどの出稼ぎ文化が発達した一因にもなったほどです。

富山県の地図

富山県の気候

富山県は「日本海側気候」の気候区分に属し、冬は雪が多く夏は雨が少ない地域です。
北陸地方ということから寒いイメージを持たれることも多いですが、年間平均気温は14.3℃で、東京都の年間平均気温15.4℃と大きな差は無いことが分かります。

冬は雪や雨が多くなるものの梅雨は太平洋側と比べて気候が荒れることは少なく、台風なども立山連峰をはじめとする3,000m級の山々が壁となり自然災害が比較的少なくなりやすい点も富山県の気候特性の一つと言えます。

富山県中央部~南東部(富山地域)の気候

富山地域は一年を通して降水量が多く、日照時間が短いのが特徴です。
夏は35℃を超える猛暑日になることもありますが、「あいの風」と呼ばれる北東からの海風が体感温度を下げます。冬は2日に1日は雪が降るものの北国ほど気温が低くないため都市部での路面凍結は多くありません。一方で全国的にも有名な立山黒部アルペンルートなど山間部は国内屈指の豪雪地帯となります。

富山県北西部(高岡・射水地域)の気候

高岡・射水地域は能登半島の付け根に位置し、日本海側の影響を受けるため湿度が年間を通して高く、ほかの地域と比べて夏も涼しいのが特徴です。
冬は日本海側の典型的などんよりした空模様になりますが、上空は海風の影響によって雪雲が長時間滞在できないため豪雪になることは少ないです。

富山県南西部(砺波地域)の気候

砺波地域は日本海に面していませんが、他の地域と同じ日本海側気候です。
夏の日中は気温が上がり35℃を超えることもありますが、朝夕は気温が下がって涼しく過ごしやすくなります。冬は積雪もあり、一年を通して四季をはっきりと感じられる気候となっています。

富山県北東部(新川地域)の気候

沿岸部は典型的な日本海側気候で、夏は蒸し暑く冬は曇天の続く寒い空模様になります。平野部は猛暑日・真冬日ともに珍しいような安定した気温になることが多いものの、北アルプスの山間部では国内屈指の豪雪が見られます。

富山県の文化

雄大な自然に恵まれた富山県では、特に潤沢な水による独自の水文化が発達しています。
水の豊かさは国内屈指で、北アルプスの雪解け水が井戸を通して県内各地から湧き上がり、人々の飲み水や生活用水として現在も利用されています。
環境省によって選ばれた「昭和の名水百選」と「平成の名水百選」には富山県内から4カ所ずつの計8カ所が選ばれ、その選出数は全国最多を誇ります。

また、水の豊かさゆえに水害も多かったことから水神様を祀る神社が多く、洪水や積雪による出稼ぎとして「越中富山の薬売り」文化が発達したとも言われています。
県の名産品である白エビやホタルイカなど、海から届くグルメも富山県の大きな魅力の一つになっています。

富山県のことば・方言

富山県で主に使われる方言は「富山弁」で、西日本方言の最も東にあたる言葉とされています。さらに富山弁は呉羽丘陵を境に西側の「呉西方言」と、東側の「呉東方言」、そして交通の難所のため独自の方言が発達した五箇山地域の「五箇山方言」に分けることができます。

関西と関東の間に位置することもあり、交通が発達した現在では関西の方言と関東の方言が混じったような独特の表現も存在します。
よく使わる表現としては「~だよ」「~だね」といった意味で語尾に「~ちゃ」をつけ、「面白ね」は「面白いっちゃ」となります。

富山県の食文化・グルメ

富山県は「天然のいけす」と呼ばれる富山湾の四季折々の海産物や、立山連峰からの伏流水で育てられたお米や農作物、そして消費量が全国屈指となる昆布が有名です。白エビのように全国で富山県だけでしか漁業が行われていない貴重な食材もあり、他県では味わえない食文化やご当地グルメも人気です。

また、富山県の食文化は呉西・呉東・五箇山の地域によっても違いがあります。西日本と東日本の中間に位置することから、うどんつゆの色は西日本側の呉西では薄く、東日本側の呉東では濃くなるといった面白い傾向も富山県内で見ることができます。

五箇山地域では済んだ水を使った「五箇山とうふ」のほか、険しい地形や雪によって交通が閉ざされた時代に「赤カブ漬け」などの越冬食・保存食を作る文化が発達しました。
近年はラーメンやB級グルメブームの影響を受け、県内各地で新しい様々なご当地グルメも誕生しています。

富山県を代表するご当地グルメ

白エビ
ホタルイカ
寒ブリ
紅ズワイガニ
ゲンゲ(深海魚)
ます寿司
氷見うどん
氷見牛
昆布締め
とろろ昆布おにぎり
たら汁
五箇山とうふ
赤かぶ漬け
うず巻きかまぼこ
富山ブラックラーメン
高岡コロッケ
湧き水

富山県の経済・産業

富山市中心部の街並み
富山市中心部の風景

富山県の県内総生産は4兆5,841億円(2017年)で47都道府県中第30位と決して高くはありませんが、人口一人当たりの県民所得では全国第6位と高順位に位置しています。

農業や水産業も盛んな富山県ですが、水が豊富なことと水力発電による安価な電力入手が可能なことから特に医薬品やアルミニウムの関連産業が集積し、2015年の国勢調査では製造業などの第2次産業への就業者割合が約33.08%と全国トップになっています。
また、2015年に北陸新幹線が開通したことで近年は観光業にも力を入れています。

富山県の医薬業

富山県の医薬品産業は全国トップクラスのシェアを持ち、2015年の医薬品生産額は約7,325億円で全国第1位となりました。
古くは江戸時代から薬の回商が行われ、いわゆる「置き薬商法」「配置薬商法」によって個人や会社に無料で薬箱を設置し、後から使用分だけ集金するスタイルを確立しました。
また、売薬業者が薬の売上を資本に、銀行・繊維・製紙・出版・印刷など様々な事業を立ち上げたことで富山県の発展にもつながってきました。

富山県の工業

富山県は日本海側屈指の工業県です。
県内には化学工業や非鉄金属・金属工業製造業が多く、その中でも特に住宅用アルミサッシが全国1位のシェアを誇ります。YKKや三共立山アルミ、LIXILなどの大企業の拠点にもなっており富山の経済の一部を支えています。
また、高岡市では銅器、鉄、金、真鍮を使った鋳物の製造が盛んで、特に銅器は全国の90%が高岡市で作られています。

富山県の農業

富山県は豊富な伏流水によって耕地面積に占める水田率がおよそ96%と高く、全国第1位となっています。
県の農業産出額の7割を米が占め、ブランド米の「てんたかく」「てんこもり」「富富富」など多くの品種の米が育てられています。
水田率の高さによって野菜の生産は抑えられていますが、「たまねぎ」や「白ねぎ」が地域の特性を活かして生産されています。
花木の分野では「チューリップ球根」が出荷量全国第1位で、春には富山県内の至るところでチューリップ畑を見かけることができます。

富山県の水産業

富山湾は日本海を北へ流れる暖流が能登半島に沿って回り込む暖かい海と、最大深度1,200mにも及ぶ深く冷たい海が重なっています。さらに3,000m級の立山連峰から栄養豊富な水が流れ込むことで、日本海に分布する約800種の魚介のうち500種ほどが富山湾に生息すると言われています。これが富山湾が「天然のいけす」と呼ばれる理由です。
中でも春にかけて獲れる「ホタルイカ」は富山県を代表する海産物の一つで、卵を持ったメスが多く獲れることから他県のホタルイカよりも人気があり高値で取引きされています。
海の宝石「白えび」は世界でも漁業として成り立つほど獲れるのが富山湾だけで、高級品として全国に出荷されています。
秋には深い水深で獲れる「ベニズワイガニ」、冬には脂をたっぷり蓄えた「寒ブリ」など、一年を通して様々な魚介が水揚げされています。

富山県の歴史

富山県はかつては「越中」の地名で栄え、1583年に織田家の武将である佐々成政によって統一されました。
越中は「越の国」が飛鳥時代に3つの国(越前・越中・越後)に別れた際に誕生した地名です。
越中は後に前田家率いる加賀藩に吸収されましたが、1639年に富山県の一部が富山藩として分けられ、前田利次が初代富山藩主となりました。
江戸時代の富山藩は洪水などの水害に悩まされながら新田を築き、後の主産業となる農業や売薬の礎を作りました。また、この頃に「北前船」と呼ばれる貿易船の中継地になったことで北海道から昆布が伝えられ、現代でも富山県民には欠かせない昆布の食文化が築かれました。

富山県の観光・名物

多くの観光資源に恵まれた富山県は観光地としても人気が高く、雄大な自然あふれる立山・黒部地域では「黒部渓谷」や「黒部ダム」、雪の壁で有名な「立山黒部アルペンルート」など大迫力の絶景を目前に楽しむことができます。滅多に見ることが出来ない動植物が生息する自然保護エリアでもあります。

また、魚津漁港から経田漁港を結ぶ「しんきろうロード」では冬から春にかけて自然が生み出す神秘的な蜃気楼を観測することができ、たくさんの蜃気楼ファンが海面にカメラを向ける姿が風物詩となっています。

五箇山では1995年に世界遺産にも登録されている合掌造り集落が日本の原風景として知られ、保存食として水分をギリギリまで絞った「五箇山とうふ」などの郷土料理とともに観光を楽しむことができます。

新たな観光地としては富山市の富岩運河環水公園内にある「世界一美しいスターバックス」や、2017年に美しい外観に生まれ変わった「富山県美術館」など、アートモダンを感じることができる観光スポットもオススメです。

富山県を代表する観光スポット

立山黒部アルペンルート(雪の大谷)
黒部ダム
大観峰(立山ロープウェイ)
みくりが池
黒部峡谷(トロッコ列車)
五箇山 相倉合掌造り集落
富岩運河環水公園(スターバックスカフェ)
富山県美術館
岩瀬レトロ街
宇奈月温泉
雨晴海岸
海王丸パーク
富山城
高岡山 瑞龍寺
高岡大仏
砺波チューリップ公園
魚津水族館
魚津埋没林博物館
しんきろうロード
ほたるいかミュージアム
氷見漁港場外市場
新湊きっときと市場
道の駅「ウェーブパークなめりかわ」


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