大分県ってどんなところ?|大分の概要と特徴、文化・歴史・観光など

大分県ってどんなところ?

大分県の概要

大分県は九州の北東部に位置する県で、国内はもとより世界有数の温泉地として知られています。
県を挙げて「おんせん県」を広くアピールしており、温泉の源泉数(4,538ヵ所)と湧出量(291,340L/分)はともに日本一の規模を誇ります。特に別府湾に面した「別府温泉」と県中央部に位置する「由布院温泉」は日本を代表する温泉地として高い人気を維持しています。

また、温泉だけでなく多くの天然資源に囲まれ、「九州の屋根」と称される火山群「くじゅう連山」をはじめとする山々や、周坊灘・伊予灘・豊後水道など複雑な地形が生み出す海の恵みによって一年を通して自然を楽しむことができる県です。

大分県の人口

大分県の人口は約110万6千人(2021年8月)で、1955年の約128万人をピークに高度成長期以降は大都市圏への流出が目立ち、人口は年々減少傾向にあります。
県内で最も人口が多いのは県庁所在地である大分市(約47万5千人)で、県内人口の約42%が大分市に集中し、2位の別府市(約11万5千人)を大きく引き離しています。

大分県の地理・地形

大分県の面積は約6,340㎢で47都道府県の中では22位の広さを持ち、これは群馬県(6,362 km²)とほぼ同じ面積となっています。
県の東側を海に面し、「九州のこぶ」と呼ばれる国東半島(くにさきはんとう)や、四国方面に位置する豊後水道に沿ったリアス式海岸など、複雑な地形が発達しています。
県西部はくじゅう連山をはじめとする山々に囲まれ、九州本土最高峰の中岳(1,791m)など1,700m級の山々がそびえるその姿は「九州の屋根」と呼ばれています。

大分県の地図

大分県の気候

大分県の気候は全体的に瀬戸内海型の温暖な気候ですが、地理的な要因など地域によって様々な違いも見られ、大きくは北部・中部・西部・南部の4地域に分けることができます。

大分県北部の気候

瀬戸内海気候に属する温暖な地域ですが、冬は関門海峡を通って日本海から吹く季節風の影響を受けるため、曇りの天気が多くなるなど日本海側の気候特性が少し現れます。

大分県中部の気候

内海型の気候で特に日照時間が長く、冬の季節風でも他の地域と比較して天気が良いのが特徴です。

大分県西部の気候

内陸地で山の多い山地型の気候です。夏は雷雨が多く、冬は厳しい寒さが続きます。盆地のため年間を通して気温差が大きく、秋から初冬に発生する濃霧は「日田の底霧」と呼ばれ地域の風物詩として有名です。

大分県南部の気候

温暖多雨の地域で夏は大雨が降り、秋雨期や台風接近時には降水量が特に増加します。冬は晴天に恵まれやすいです。

大分県の文化

あまり知られていませんが、大分県では古くから石文化が発達してきた土地です。
自然の岩壁や大きな岩に彫刻された「摩崖仏」は全国の7割ほどが大分県内にあり、特に臼杵市の「臼杵磨崖仏」は摩崖仏として全国で唯一の国宝であり、彫刻としては九州初の国宝にも指定された史跡です。
また、石造りのアーチ橋の数も大分県が全国最多で、中津市にある耶馬溪橋(別名オランダ橋)は国の重要文化財にも指定された全国最長の石造りアーチ橋で、全国唯一の8連構造となっています。

大分県は県土の7割以上が森林であることから林業も栄え、良質な「日田杉」は漆器や下駄など多くの伝統工芸品にも用いられています。
食文化ではとり天やから揚げなど、鶏肉を使った郷土料理・ご当地グルメが多いのも特徴です。

大分県のことば・方言

大分県の方言は大きくは「豊日(ほうにち)方言」と呼ばれる九州東部を中心に使用されている方言に属しています。豊日方言は昔の豊前国・豊後国・日向国を意味するもので、同じ方言でも地域によって様々な違いが見られます。大分県の場合は豊日方言の中でも地理的に近い中国・四国地方の方言の特性を持ち合わせているのが特徴です。
福岡県でよく使用される「~けん」の語尾は大分県でも使用され、他には「~っちゃ」「~ち」など印象として「かわいい方言」と表現される言葉遣いが多いのも大分県の方言の特徴です。

大分県の食文化・グルメ

大分県は全国的に専門店が出店している中津からあげを筆頭に、とり天・とり飯・鶏のがめ煮など、鶏肉を使ったご当地グルメがたくさんあります。都道府県庁所在地と政令指定都市を対象に行われた鶏肉消費量調査でも、大分市は常に全国1位や上位にランクインするほど鶏肉をよく食べることで知られています。大分市だけでなく、県内の各地域でそれぞれ鶏肉の食文化が発展してきました。
近年では「おおいた和牛」を全国へと広める取り組みが行われ、大分県の歴史あるブランド和牛「豊後牛(ぶんごぎゅう)」の専門店も全国で多数見ることができます。

また、大分県は米作りに適さない土地が多かったこともあって昔から麦などの穀物栽培が発達し、団子汁・やせうま・じり焼き・鮑腸といった粉ものを使った郷土料理が多く誕生しました。
温泉地では高温の温泉の蒸気で食材を蒸し上げる「地獄蒸し」が人気で、温泉巡りとセットで楽しむ観光客の姿も多く見ることができます。

大分県を代表するご当地グルメ

中津からあげ
とり天
とり飯
かぼす
だんご汁
豊後牛
地獄蒸し
別府冷麺
日田焼きそば
関さば・関あじ
すっぽん料理
城下かれい
やせうま
りゅうきゅう

大分県の経済・産業

大分駅前の風景
大分駅前の風景

大分県内の県内総生産は約4兆6143億円(2018年)で、全国47都道府県の中では第32位の規模となっています。製造分野では化学・自動車・鉄鋼・エネルギーなどがバランスよく構成され、製造品出荷額等の規模は九州では福岡県に次ぐ第2位となっています。
また、温泉を中心とした観光業も県の重要な産業の一つですが、温泉の熱は農業や地熱発電など多岐にわたって活用され、大分県は再生可能エネルギー自給率が全国1位の大変エコな産業県にもなっています。

大分県の工業

大分県では1964年の高度成長期に大分市が新産業都市の指定を受け、国内有数の規模を持つ大分臨海工業地帯が形成されました。近年では大分空港周辺に電子工業分野の製造拠点誘致が進み、県北部では隣接する福岡県東部とともに自動車分野の企業が多く集積しています。
大分市の工業規模は今や九州一にまで成長し、市町村別の製造品出荷額等では工業都市として知られる北九州市を抜えて九州で首位(2017年統計)となっています。

大分県の農業

大分県では1980年当時の平松知事が提唱し全国へと広まった「一村一品運動」により、県内の各地で特産品を作る試みが行われています。
農産物では特産品としても有名な干し椎茸やカボスの生産量がどちらも日本一で、特にカボスは国内シェア98%と圧倒的な生産力を誇っています。干し椎茸も全国シェアは4割を占めます。また、白ネギは豊後高田市を中心に西日本一の生産量をもつ一大産地となっています。
温泉の熱を利用して栽培された九重町の「温泉パプリカ」など、新たな特産品も誕生しています。

大分県の水産業

大分県の水産業は中~高級とされる魚介類が中心で、そのため海面における”生産量”は全国第23位ですが”生産額”は全国第10位と高くなっています。
瀬戸内海と太平洋の海流がぶつかり合う豊後水道で獲れる「関あじ」「関さば」や、日出町で獲れる「城下かれい」は大分県の高級ブランド魚として有名です。
また、養殖のヒラメ・ブリ・クロマグロ・カンパチなども収穫量で全国トップクラスとなっています。

大分県の歴史

大分県は鎌倉時代に大友氏が豊後国の守護となり、大友氏は室町時代にも守護に任じられ、南北朝の統一によって勢力を弱めた南朝を制して、戦国大名へと発展していきました。大友氏は、戦国時代の21代当主大友宗麟の時代に最盛期を迎え、九州の大半を支配していた時代がありました。

また、清やポルトガルなどと盛んに交易に行い、府内(大分市)などでは南蛮文化が盛んでした。キリスト教を積極的に保護し、豊後国の信者の数は3万人を超えたとされています。

大分県の観光・名物

大分県は鉄輪(かんなわ)温泉をはじめ、8つの地獄めぐりで有名な別府、風情のある街並みが魅力の由布院温泉、世界的に珍しい炭酸泉として名高い長湯温泉など、多くの人気温泉が存在します。また、紅葉の名所として知られる耶馬渓や江戸の風情を今に残す「小京都」の日田、九重の雄大な山並みは阿蘇へとつなぎます。
周坊灘に突き出した「九州のこぶ」と呼ばれる国東半島は、平安時代に仏教文化が栄え、仏を神とし、神を仏とする「神仏習合」の原点となる山岳宗教「六郷満山」が開山されました。

大分県を代表する観光スポット

別府温泉
別府地獄巡り
由布院温泉
宇佐神宮
由布岳
鶴見岳・別府ロープウェイ
高崎山自然動物園
くじゅう花公園
九重夢大吊橋
サンリオキャラクターパーク ハーモニーランド
城島高原パーク
大分マリーンパレス水族館「うみたまご」
九州自然動物園アフリカンサファリ
やまなみハイウェイ


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