鹿児島県ってどんなところ?|鹿児島の概要と特徴、文化・歴史・観光など

鹿児島県ってどんなところ?

鹿児島県の概要

鹿児島県は九州本島の南端に位置し、県のシンボル桜島をはじめ、世界遺産の屋久島や奄美大島、エメラルドグリーンの海に囲まれた与論島、ロケット打ち上げ施設の種子島宇宙センターといった自然・文化・観光の面においても豊富な資源に恵まれた県です。
奄美群島を筆頭に数多くの離島を有しており、それらの島々の総面積と総人口はともに日本一の規模となっています。

また、鹿児島県は明治維新の舞台としても知られ、鹿児島出身の西郷隆盛や大久保利通をはじめとする薩摩藩が日本の近代化・国際化に多大な影響を与えるなど、国の在り方を大きく変える役割を果たしました。

鹿児島県の人口

鹿児島県の人口は約158万人(2021年8月)で、九州では福岡県・熊本県に次いで第3位、全国の都道府県の中では第24位の人口を有しています。県庁所在地である鹿児島市の人口は約60万人で、中核市(全国62市/2021年4月)の中でも第3位に入るほど大きな人口規模となっています。
鹿児島県では県内人口の1割以上が離島に住んでいるのが特徴で、これは沖縄本島を除いた全国の離島人口の4分の1を鹿児島県が占めていることになります。

鹿児島県の地理・地形

鹿児島県の総面積は全国第10位で、九州では最も広い面積を持つ県です。
多くの離島があることから県域は南北におそよ600kmととても長く、その距離は東京~大阪間(約500km)を軽く超えるほどです。
離島の総面積は県全体の約27%におよび、全国の離島面積の約33%を鹿児島県が占めています。

県本土の大部分は西側の薩摩半島と東側の大隅半島という2つ半島上に位置し、これらの半島に包まれるような形で中央に桜島があります。
古くから活火山が多く県本土全体が火山噴火の堆積物によって覆われていますが、その中でも「シラス台地」と呼ばれる水はけの良い痩せた土壌がおよそ半分を占め、この地質を活かしたサツマイモ栽培や焼酎造りが県の特産品として発展しました。

鹿児島県の地図

鹿児島県の気候

南北に長い鹿児島県は主に温帯と亜熱帯の気候を有しており、年間平均気温(県庁所在地)は沖縄県に次ぐ全国第2位と暖かいです。また、降水量も全国第2位(2020年)と雨が多いのが特徴ですが、県本土と比べて離島部の方がさらに気温が高く降水量も多くなります。
鹿児島市など県本土の冬は他県同様に寒くなり、市街地で積雪する年もあります。桜島ではほぼ毎年美しい冠雪が記録されています。

南部の離島でも標高の高い山岳部では例年積雪が見られ、九州最高峰である屋久島宮之浦岳では積雪が2メートルを超えることもあります。
さらに毎年のように台風や梅雨の影響をダイレクトに受けるのも鹿児島県の気候の特徴の一つです。

鹿児島県本土(北部)の気候

鹿児島県の中でも本土北部は平均気温が比較的低くなり、特に内陸盆地の伊佐市では1月の平均最低気温が近畿地方の内陸盆地である京都市よりも低くなります。2016年には低地における九州の最低気温(-15.2℃)も記録され「鹿児島の北海道」と表現されることもあります。

鹿児島県本土(南部)の気候

鹿児島県本土の南部は比較的温暖な地域ですが、東側の大隅半島は温暖な黒潮(日本海流)の影響を受けやすい一方、西側の薩摩半島は寒い北西からの風を受けやすく、気温や天候にも違いが出ることがよくあります。
年間を通して平均気温が高く、薩摩半島南東端に位置する指宿市では12月下旬から菜の花が見ごろを迎えます。

鹿児島県離島部の気候

離島部は特に気温が高く、雨も多くなります。奄美大島の年間平均気温は20℃を超え、夏場には6月下旬頃から3ヶ月にも渡って熱帯夜が続きます。屋久島は「1か月で35日雨が降る」と言われるほど全国屈指の降雨量があり、土壌の栄養が流れ出ることで屋久杉は成長が遅く引き締まった頑丈な幹を持つ大木へと成長します。

鹿児島県の文化

鹿児島県は九州南端に位置するため、古くから船の往来で琉球やアジア諸国、西洋諸国とも交流が盛んに行われてきました。異国の文化・情報がもたらされる日本の玄関口となり、キリスト教や鉄砲など多くのものが鹿児島県を通して日本に伝来しています。
それに関連して、多くの外国船が往来したことで日本船を見分けるために「日の丸」の国旗が鹿児島県で誕生し、国家「君が代」も鹿児島県内の神社に奉納される踊りから発祥したと言われています。

また、桜島の噴火や火山灰と共に日常生活を送る光景は鹿児島県特有の文化と言うことができ、騒ぎ立てる全国のマスメディアの報道に温度差を感じる鹿児島県民も少なくないようです。

鹿児島県のことば・方言

鹿児島県の方言は県本土と離島部で違いがあります。一般的に「鹿児島弁」は県本土の方言である「薩隅方言」を指しますが、薩隅方言も旧薩摩国と旧大隅国を合わせたものなので地域によって違いがあり、さらに同じ薩摩国の中でも北部と薩摩半島末端の南部とでは言葉やイントネーションに大きな違いが見られます。
離島部では奄美群島を中心とする奄美方言があり、さらに南部の与論島などでは沖縄県の方言に近いものとなります。

鹿児島県の食文化・グルメ

鹿児島では豊かな自然、気候や土壌などの風土を活かした食文化・グルメが発達し、その多くが鹿児島だけでなく日本中に広まっています。「薩摩」の名が付いたサツマイモ・さつま揚げ・さつま汁はもちろん、サツマイモを原料とする芋焼酎のほか、黒酢・黒豚・黒牛など「黒」がつく食材が多いのも鹿児島県の特徴です。鹿児島名物のかき氷「しろくま」も最近では全国区の知名度となり老若男女問わず人気のグルメとなっています。

鹿児島県を代表するご当地グルメ

サツマイモ
さつま揚げ
さつま汁
黒豚
黒牛
黒酢
鹿児島ラーメン
鶏飯
酒寿司
天文館むじゃきの白熊
山形屋食堂のやきそば
両棒餅(じゃんぼもち)
きびなご
枕崎のカツオ
かるかん・かるかん饅頭

鹿児島県の経済・産業

夕暮れの天文館
夕暮れの天文館

鹿児島県は南北に長く温暖・多雨な気候のため、全国屈指の農業県として第一次産業の占める割合が高い傾向にあります。農業産出額は北海道に次ぐ全国第2位(2020年)と非常に大きな規模を持ち、サツマイモなどの農作物のほか、黒豚・黒牛などの畜産分野でも北海道に次ぐ全国第2位となっています。
海域が広大で多くの島々を持つことから水産業も盛んで、漁業でも多くの品目で生産量日本一となっています。

鹿児島県の工業

鹿児島県は農業・水産業が盛んで多くの食材が集まることから、工業分野でも食料品や飲料などの食品加工が主な産業となっています。
また、桜島の溶岩や年間数100万トンを超えることもある火山灰を利用した鉄工所・加工所が多いのも鹿児島県ならではの工業の特徴です。

鹿児島県の農業

鹿児島県の農業産出額は毎年全国上位に位置しますが特に畜産分野の産出額が大きく、農業産出額全体の6割を占めています。食用の牛・豚は全国第1位、鶏は全国第2位とまさに日本の肉食文化を支えているのが鹿児島県です。
野菜ではサツマイモ・さやえんどう・ソラマメなどが全国第1位で、かぼちゃ・ピーマン・大根・キャベツ・ニンニクなど食卓の主要野菜も全国上位となっています。また、お茶の生産では静岡県に次ぐ全国第2位、焼酎も全国指折りの生産量となっています。観葉植物も作付面積で全国第2位と大規模な生産が行われています。

鹿児島県の水産業

鹿児島県は広い海域と多くの離島を有することから水産業も大変盛んです。特にミナミマグロの漁獲量は全国第1位で国内シェア3割を占めています。カツオの一本釣りで有名な枕崎市では鰹節の生産量が全国シェア5割を占めています。
養殖による漁業も非常に盛んで、クロマグロ・ブリ・カンパチ・ウナギは全て養殖による生産量日本一となっています。

鹿児島県の歴史

鹿児島県では1万年ほど前の縄文時代から人々が集落を作って生活していたことが分かっています。最も古いものでは種子島から3万年以上前の遺跡も発見されています。

中国・琉球などのアジア諸国に近く、西洋からの船の往来も多かったため海外の文化・情報を取り込むことに優れ、鎖国時代の終わりとともに鹿児島の薩摩藩は日本を世界的な近代国家へと導くようになります。西郷隆盛・大久保利通ら率いる薩摩藩は長州藩らと手を結び、江戸幕府から明治政府へと国の形を大きく変える明治維新を成し遂げました。新政府の大役を務める人材はこれらの同盟から選ばれ、実質的に新しい日本の舵取りも行いました。

1914年には鹿児島県の形を変える大事件が発生しました。薩摩半島と大隅半島に挟まれた海に浮かぶ桜島が大正大噴火を起こし、堆積した溶岩によって大隅半島と桜島は陸続きになりました。桜島が「島」でなくなったのはわずか100年ほど前の出来事です。

鹿児島県の観光・名物

海・山・自然・食に囲まれた鹿児島県は観光スポットも豊富です。鹿児島に来たら一度は見ておきたい活火山の桜島や、地熱を利用した砂蒸し風呂で有名な指宿温泉、世界遺産にも選ばれている屋久島や奄美大島など数々の離島もあり、県内のどこを観光するか迷うほどです。薩摩藩にちなんだ名所も多数あるので歴史ファンにもオススメです。 

都心部では鹿児島市最大の繁華街「天文館」でのショッピングや喫茶店「むじゃき」の氷白熊を味わったりもできますし、地場産品を使用した新鮮な郷土料理や旨味たっぷりの黒豚グルメなど多岐に渡る名物を楽しむことができます。

鹿児島県を代表する観光スポット

桜島
天文館
城山展望台
指宿温泉(砂蒸し風呂)
霧島温泉郷
屋久島(屋久杉・縄文杉)
奄美大島
種子島(種子島宇宙センター)
与論島
仙巌園
池田湖
霧島神宮
いおワールドかごしま水族館
維新ふるさと館
知覧特攻平和会館


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